ブランドコンセプトの重要性|コンセプトを置き去りにしないブランディングとは
皆さんは、自社ブランドのコンセプトを理解していますか。
ブランディングにおいて本当に重要なのは、ブランドコンセプトを文字として知っているだけでなく、そこに込められた本当の意味を理解し、商品やサービスにしっかり反映させて守っていくことです。
そこでこの記事では、ブランドコンセプトを守ることがなぜ重要で、現状はどうなのか、そして守っていくためには何をすれば良いのかを解説していきます。
ブランドコンセプトが置き去りになっている!?
ブランドコンセプトとは、ブランドの根本的な価値を明確にしたものであり、ブランディングの柱です。 ブランディングがうまくいかないときや、事業の方向がずれてきたなと感じたときには、事業がコンセプトに合っているかどうかを再確認しましょう。コンセプトが置き去りになってしまい、仕事が違う方向に進んでしまっている可能性が高いからです。
そうなる原因はいろいろ考えられますが、ここではよくある2点について考えていきましょう。
- ● ブランドコンセプトが分かりにくい
- ● ブランドコンセプトが魅力的でない
ブランドコンセプトが分かりにくい
例えば、あるブランドが以下のようなコンセプトを掲げているとします。
コンセプト:罪悪感のないスイーツ
このコンセプトを見て、皆さんはどのような商品を思い浮かべますか。
- – 低カロリー・低糖質・低脂肪なのにおいしく、買った人に喜ばれるスイーツ
- – 甘くて低カロリーだけれど、味は「まあまあ」なスイーツ
- – 「低糖質だから罪悪感なし」と謳いながら、実はある程度カロリーがあるスイーツ
- – 低カロリー・低糖質・低脂肪なのにおいしく、買った人に喜ばれるスイーツ
- – 甘くて低カロリーだけれど、味は「まあまあ」なスイーツ
- – 「低糖質だから罪悪感なし」と謳いながら、実はある程度カロリーがあるスイーツ
すぐに思いつくものだけを挙げても、このように3種類ありました。人が増えれば、もっといろいろなイメージが出てくるかもしれません。
コンセプトから思い浮かべるものがいろいろ出てきてしまうのは、「罪悪感がない」という言葉の定義が曖昧で分かりにくいため、いかようにも解釈できてしまうからです。この状態のままにしてしまうと関係者の間でも解釈違いが生じてしまい、目指すところがバラバラになることもあるでしょう。この場合はコンセプトが置き去りになっているわけではないのですが、吸引力がなく、意味のない存在になってしまう可能性があります。
ブランドコンセプトが魅力的でない
時間をかけてじっくり考えたはずなのに、いざ運用を始めてみると実はあまり魅力的なコンセプトではなかった、と思うこともあるかもしれません。
コンセプトに魅力がないのは、コンセプト自体に問題があるのではなく、「誰にとって魅力的なのか」「どうして魅力的なのか」という具体的な内容に落とし込めていないことが原因の可能性があります。 先に挙げた例をもう一度見てみましょう。
ここに3種類のスイーツが書かれていますが、どれかには魅力があり、どれかには魅力がないということではありません。どれを魅力的だと思うかは人によって違う、つまり、ターゲットが異なるだけなのです。 ここをはっきりさせないまま事業を進めてしまうと、自分たちがどこに向かっているかが分からなくなり、コンセプトを置き去りにして他のことに目を向け始めてしまうかもしれません。
では、事業を正しく進めていくにはどうしたら良いのでしょうか。
ブランドコンセプトを守るには
コンセプトを守ってブランド育んでいくためには、ターゲットを正しく決め、タッチポイントを一つひとつ決めていくことが大切です。さきほどのスイーツの例をもう一度使って考えてみましょう。
コンセプト:低カロリー・低糖質・低脂肪なのにおいしく、買った人に喜ばれるスイーツ
まずは、このスイーツを買ってもらいたいターゲットを考えてみます。すると、その人たちとブランドとのタッチポイントが見えてくるのではないでしょうか。ここでは例として、スイーツを買って自分で食べる人と、誰かにプレゼントする人の二人についてまとめてみましょう。
ターゲット | 重要なタッチポイント | |
①自分で食べる人 | おしゃれで 常に体型に気を遣っていて でも食べるものにこだわりがある人。 手間やお金をかけてもおいしいものを食べたい人。 |
見た目 味 成分(カロリーなど) SNS映え |
②プレゼントする人 | おしゃれで 常にアンテナを張っていて 「あの人センスいいよね」といわれたい人。 完璧主義の人。 |
見た目 コンセプト ラッピング 店名 お店の立地 受け取った人の反応 |
こうして重要なタッチポイントを洗い出したら、それぞれのポイントでどうすべきかが見えてくるでしょう。ターゲット①について考えるなら、見た目や味、カロリーだけでなく、食べ物にこだわりのある人ならSNSに投稿する可能性が高いということを考慮し、SNS映えする演出をするのも一つの方法です。
一方ターゲット②について考えるなら、プレゼントする相手に「こんな素敵なスイーツを見つけたよ」と説明できるようなコンセプトや、美しいラッピング、おしゃれな店名や立地なども重要かもしれません。 こうして考えていけば、皆がブランドコンセプトを柱として事業を進めていけるようになるでしょう。タッチポイントについては以下の記事でも解説していますので、ぜひあわせてご覧ください。
▶︎ ファンを増やす「タッチポイントの体験デザイン」とは?具体例を交えて解説
まとめ
この記事では、ブランドコンセプトを守ることがなぜ重要で、どうすべきなのかを紹介しました。 事業を進めていると、いつの間にかブランドコンセプトが置き去りになってしまうことがあります。そうならないための一つの方法として、ターゲットとのタッチポイントをもう一度見直してみませんか。
グラビティーワン株式会社では、様々な組織のブランディングをお手伝いしています。ブランド戦略の策定から、理念やブランドコンセプト作り、コアコンピタンス、インナーブランディング、ロゴデザイン、パッケージデザインまで、15年にわたって一橋ICSで講義を務めた亀谷が相談を受け付けています。まずはじっくりお話を伺いますので、ぜひお気軽にお問合せください。