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グラビティーワンのブランディングで我々は何者であるべきかを再考、120%の力が引き出された

和田 博行株式会社キンレイ 代表取締役副会長 2019
和田 博行

経営理念が大事だと私は思う。キンレイが、大阪ガスの一員であった時からその大事さを理解していた。ブランディングをこれほど深く行ったのは初めてだったが、過去にも同じようなことを繰り返しやってきた経験がある。講師が講師然として、そういうのも必要だが、教わったことの大半は翌日には忘れてしまって社員の身につかないことも多々あった。

ところが、今回手伝ってもらっている中で、グラビティーワンは、我々と一緒になって考えてくれることが大きく違った。まるで身内のように寄り添ってくれた。

ブランドアイデンティティとブランドストーリー

はじめる前、こういう話があって是非やりましょうと、当時の経営者に相談しました。というのも、ブランディングをはじめる前の数年間は、これまでに築きあげてきたモノがガタガタと石垣が崩れていくようで、他社よりも安いものをつくることが目的になってしまい、我々は何者なのかを見失っていたからです。史上最低の売り上げに直面していた時期でもありました。

持っているものを引き出してもらい、意識統一で120%の力を発揮

ブランディングを契機に、もう一度、我々は何者であるべきかを意思統一することができた。みんなが理解すると、ゼロからのスタートではなく、社員が持っていた良いモノに勢いが生まれた。同じ陣容であるにも関わらず、100%、それ以上の120%の力を発揮するようになり、いきなり業績が上向きはじめた。新しいことも教えてもらったが、持っているモノを引き出してもらったことが、飛躍的な発展につながったと思う。

キンレイのブランド価値を高める

創業当初の1970年代半ば、窒素ガスの凍結はアメリカで生まれた最新の技術だった。その頃の日本の冷凍食品は、チルドで余ったものを冷凍にすることもあって、安かろう悪かろうの時代だった。我々はそれに一線を画し、フレッシュな素材を-190度程度で凍結して最上級の再現性をもつ食品をつくろうと志した会社だった。業界の仲間達と競い合うこと以上に、如何に良いモノつくってお客様にも流通様にも美味しさを感じて理解していただけるか、さすがキンレイだねと言われる商品をつくり続けていきたい。

冷凍食品が見直されてきた時流も追い風となって、2013年のブランディング後はすごく良い5年になった。そのポイントは再現性にあり、時代と上手く合っている感がある。お料理を半日置いて美味しいということは、あまりない。できたて、今すぐ食べるものが本当は美味しい。チルドでは難しいとされていたつくりたての美味しさを再現しようという時代が冷凍食品に来ている。キンレイはお料理はもちろんだが、素材にもこだわり、立派な専門店と同じか、それ以上の場合もある。こうしたあるべき姿へ邁進し、自社のブランド価値を生み出し、冷凍食品の価値も高める一翼を担っていきたいと思っている。

グラビティーワンにはいままで通り我々に寄り添ってほしい

グラビティーワンには、いままで通り、安易に我々に迎合せず、かといって商売として割り切らずに付き合って欲しいと思う。センスにしろ、考え方にしろ、いつまでもそういう風にお願いしたい。こんな会社は、あまり見たことがない。

VOICE

  • V-2 ブランディングで社員一人ひとりが主役であることを自覚し、実践する集団の核が創れた