ポジショニングの再定義|自社ブランド「らしさ」を見つめ直そう

自社ブランド「らしさ」を見つめ直そう

自社ブランドや商品をより多くの人に知ってもらい、利用してもらうために、ポジショニングについて再検討したいと考えている企業も多いでしょう。

そこでこの記事では、一般的なポジショニングとはどういうものかを解説するとともに、商品をより良いものにして、多くの人に届けるためのポジショニングの考え方をお伝えします。

具体的な手法についても言及していますので、ぜひ最後までご覧ください。

ポジショニングとは

ポジショニングとは、ビジネスにおいて、「マーケットの中での自社ブランドや商品のポジションを確立すること」という意味で使われることの多い言葉です。

もしかしたら、ポジションという言葉をどう解釈するかは人によって異なるかもしれません。しかし、ポジショニングの目的が「商品を売る」ことであるという点は共通しているのではないでしょうか。

そこでここからは、「商品を売る」という目的に着目したポジショニングの考え方について紹介していきます。

ポジショニングを決める2タイプの考え方

ポジショニングを決めるための手法は複数ありますが、その中から2タイプの考え方を紹介します。

  • ● 競合他社との関係から考える
  • ● 顧客のニーズから考える

競合他社との関係から考える

ポジショニングというと、ポジショニングマップを思い浮かべる人も多いかもしれません。例えば、以下の図はビールに関してよくあるポジショニングマップです。

ポジショニングの再定義|自社ブランド「らしさ」を見つめ直そう2

このようなマップは、「キレがあって苦味が弱い商品が少ないから、ここを狙おう」というように、競合他社商品との関係から考えるときに使われます。

競合他社との関係を整理して理解するのは、ビジネスにおいて重要なことです。しかし、その要素が適切でなければ意味をなさないものになってしまうので、その点に注意が必要です。

例えば、上のマップでは縦軸に「キレがある」「コクがある」と書かれていました。ビールのポジショニングマップ事例では、この二つの要素が同じ軸の対極に置かれていることがよくあります。しかし、既にキレとコクを両立させた商品が登場していることを踏まえると、視点を変えて下図のように考えることも必要かもしれません。

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こちらのマップでは、「キレがある」と「コクがある」という要素を別軸に置いているため、商品のポジションも変わっています。同じ要素でも、視点を変えるだけでこのように商品の立ち位置は大きく変わるのです。

ポジショニングを検討する際には、既存の考え方にとらわれず、様々な視点で商品を見ることも大切です。

顧客のニーズから考える

前項では、一般的なポジショニングマップを紹介しました。実際に、このようなマップを使ってポジションを決めている企業も多いでしょう。

しかし、このマップを見て方向性を決定してしまうのは、もしかしたら性急な場合もあるかもしれません。なぜなら、これだけでは「誰に売るのか」「何を売るのか」「どうやって売るのか」の視点を十分に検討できないからです。

皆さんがビールを選ぶポイントは、苦味とキレ・コクだけではないはずです。値段、辛さ、刺激、後味、酸味、泡など、いろいろな理由や好みで選んでいるのではないでしょうか。「限定商品だから買う」「家族が好きだから買う」「懐かしいから買う」という選び方もあるでしょう。つまり、他社がどうあるかの前に、まずは顧客のニーズに合わせるのが基本だということです。

もう一度、先ほどのポジショニングマップを見てみましょう。

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このマップの場合、自社商品は「キレがあるが、コクがない」というポジションにあり、マップ上では競合がいないことになっています。しかし、競合がいなければそれで良いのでしょうか。もしも消費者が「キレがあってコクがある」ビールを求めているなら、そこを目指さなくても良いのでしょうか。

このときに、今のポジションに居続けるのももちろん一つの方法です。しかしそれは、単にポジションが空いているからというだけの理由で決めるのではなく、顧客のニーズや周囲の環境などを十分に検討したうえでの結論であるべきなのです。

自社ブランド「らしさ」で考える

物理的なポジションが決まったら、その商品に自社ブランド「らしさ」があるかどうかを考えてみるのも良いでしょう。自社ブランド「らしさ」というのは非常に曖昧な表現ですが、時には社員の感じる「らしさ」が重要な要素になることがあるからです。

社員が誰にどのような商品を売りたいと思っているのか、なぜそう思うのか。 それを突き詰めていくと、最初はバラバラになっているように見えても、案外同じ方向を向いていることがあるものです。

社員はそれぞれ異なるバックグラウンドを持っていますので、話を聴いてみるといろいろな視点で商品を見ていることが分かります。それを客観的に拾うことができれば、机上の議論では得られない情報を入手できることもあるでしょう。

ブランドを育むための社員との対話については、以下の記事で紹介しています。あわせてぜひご覧ください。

▶︎暗黙知の意味とブランディングにおける重要性

まとめ

この記事では、ポジショニングの再定義についてお伝えしました。

今回紹介したポジショニングマップは、よく利用されている手法の一つです。広く親しまれている方法なので、初めて作る人にも分かりやすい、使いやすいと感じられるのではないでしょうか。

しかし、「商品を売る」という目的に着目して自社ブランドや商品を考えるなら、ポジショニングマップ以外の視点も取り入れてビジネスを見つめ直すと良いでしょう。その際には、社員の考える自社ブランド「らしさ」も取り入れてみるのも一つの方法としておすすめです。

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