ブランディングが「スタートアップの成功」を強力に後押しする!その理由とは?

ブランディングが「スタートアップの成功」を強力に後押しする!その理由とは?

スタートアップ企業では、多くの場合、一日でも早く事業を拡大させてEXITすることを目標にしているのではないでしょうか。

諸々の手続きや資金調達、メンバー集めといった課題に取り組みながら、さしあたっての目標として、早期のサービスローンチを目指してスピード重視で毎日走り続けている人も多いでしょう。

本来は、このような創業時にこそブランディングをしっかりするのが理想です。早い時期にブランド戦略を決めておくと、資金調達や大企業との提携など目の前の課題を進める際にも大いに役立つからです。

そこでこの記事では、ブランディングとはどういうことなのかを改めて整理し、スタートアップ企業が創業時に取り組むメリットについて解説していきます。

ブランディングとは

ブランディングとは、企業が自社ブランドの理想像やありたい姿を明確にし、人々にそのようなイメージを持ってもらうために行う活動のことをいいます。

ブランディングのために最初に行うのは、「この事業で何を実現するのか」「なぜ事業をするのか」「事業を将来どうしていくのか」など、事業の根本を明確にすることです。ブランディングはプロモーションの一環のようにイメージされることもありますが、実はそうではなく、事業の軸をしっかり決めることなのです。

企業理念やMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)を決めたり、事業の方向性を検討したりすることも、ブランディングの一環として行います。

スタートアップ企業にブランディングが必要な理由

スタートアップ企業には、大きく分けると2つのフェーズがあります。

  • ● 創業フェーズ:創業からローンチまで
  • ● 拡大フェーズ:ローンチからEXITまで

もしかしたら、「ブランディングが必要なのは拡大フェーズ」「創業時は忙しいからブランディングどころではない」と考える人も多いかもしれません。しかし冒頭でお伝えした通り、事業の成功のためには創業フェーズから取り組むのが理想です。

創業フェーズのブランディング

創業フェーズにおいて非常に重要であり、かつ難しいのが、資金調達とメンバー集めではないでしょうか。そこで、創業フェーズでなぜブランディングが必要なのかを、資金調達とメンバー集めに分けて解説していきます。

資金調達のためにブランディングが必要な理由

スタートアップ企業の成長に、資金調達は欠かせません。しかし、当然のことながら資金調達は簡単なことではないというのは皆さんご存知でしょう。

資金調達には、色々な手段や道のりがあります。例えば、SNSなどからメッセージを送ってアプローチをすることもあれば、短時間の面談から始まることもあるでしょう。そこから次のステップに進むためには、「この事業で何を実現するのか」「なぜ事業をするのか」「事業が将来どうなっていくのか」を簡潔に伝え、共感してもらう必要があります。もしかしたら一言で伝える、あるいは5分で伝えるという場面も出てくるかもしれないので、それができるように掘り下げて考え、準備しておきたいところです。

ブランディングをしっかりすれば自社の強みやコンセプトも決まるので、一言で、あるいは5分という短時間でも正しく伝えられるようになるでしょう。軸がしっかりできているので、先方からの質問にも簡潔に答えられるはずです。

メンバー集めのためにブランディングが必要な理由

スタートアップ企業にとっては、メンバー集めもまた難しい関門の一つなのではないでしょうか。

メンバー集めで重要なのは、創業メンバーの思想に共感し、同じかあるいはそれ以上の「熱量」で事業に取り組んでくれる人を見つけることです。そのためには、「この事業で何を実現するのか」「なぜ事業をするのか」「事業が将来どうなっていくのか」そして「なぜあなたと一緒にやりたいのか」をしっかり伝え、そこに共感してもらえるかどうかを見極める必要があるでしょう。

ブランディングをしっかりしておけば、具体的にどういう人と組みたいかが見えてきます。そして相手にも正しく伝えられるようになるので、組みたい相手を見つけやすく、そして相手にも見つけてもらいやすくなるでしょう。

拡大フェーズのブランディング

サービスをローンチしたら、事業を拡大させていくフェーズに入ります。ここから飛躍するためには、さらにブランディングが重要になるでしょう。

競争優位に立つためにブランディングが必要な理由

競争優位に立つためになぜブランディングが必要なのか、一つの例を挙げてみましょう。

あなたはこれまで、スポーツウェアを購入したことがあるでしょうか。その時、どのようなブランドのものを選びましたか。

スポーツウェアを購入する際、値段重視でファストファッションブランドを利用する人もいれば、世界的に有名なスポーツブランドのものを選ぶ人もいるでしょう。では、後者の有名ブランドを選ぶ人は、なぜそれを選んでいるのでしょうか。おそらく多くの人が、「このロゴが付いていれば見栄えがする」「このブランドなら機能面でも問題ないはず」という理由で選んでいるのではないでしょうか。

ブランドイメージを確立すると、後者のタイプの顧客が増えます。他社製品より値段が高くても、ブランドへの共感、信頼、ロイヤルティなどから選んでもらえるようになるのです。

事業の軸を作るためにブランディングが重要な理由

スピーディに事業を拡大させるためには、目標に向かってぶれずに直線距離を進んでいくことが重要です。

スタートアップ企業が拡大フェーズに入ると、「会員を増やしたい」「売上を伸ばしたい」という思いが強くなるかもしれません。目先の目標達成にとらわれてしまい、道がそれてしまうこともよくあります。

しかし、ビジネスで重要なのは一貫性です。その点、しっかりブランディングができていればブランド戦略に沿って施策を進めていけるので、ぶれることなくまっすぐ進んでいけるようになるでしょう。

全員が同じ方向を向くためにブランディングが重要な理由

ビジネスが大きくなるにつれ、社風が変わり、経営陣の想いと社員の考えとの間に隔たりが生じやすくなります。少人数のころは社員と経営陣の距離が近く、創業時の思想がしっかり伝わってビジネスにも反映されていたものが、会社が拡大するにつれてその距離が遠くなり、全員が同じ方向を向けなくなってしまうのです。

そうならないためには、インナーブランディングが重要になります。

インナーブランディングとは、企業理念や経営陣の思いなどを社員に伝え、社員が理解して遂行できるようにしていく取り組みのことをいいます。一人残らず同じ方向を向くために、社内に向けてブランディングを行うのです。

インナーブランディングについては、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひご覧ください。

▶︎インナーブランディングとは

まとめ

この記事では、スタートアップ企業の成功のためにブランディングが重要な理由を解説しました。

  • ● ブランディングとは
  • ● スタートアップ企業にブランディングが必要な理由

スタートアップ企業の創業時は、目の前のことに忙殺されてブランディングまで手が回らないかもしれません。その段階でブランディングにまで取り組むと、事業の進捗が遅れると感じられることもあるでしょう。しかしブランディングをしっかりすれば、結果的には事業の拡大スピードを速めることにつながるのです。長期的にも短期的にもメリットの大きいブランディングに、ぜひ今から取り組んでみませんか。

グラビティーワン株式会社では、ブランド戦略についてのご相談を受け付けています。企業理念の策定から、インナーブランディング、ブランドコンセプト作り、ロゴデザイン、パッケージデザインまで、15年にわたって一橋ICSで講義を務めた亀谷が貴社のブランド戦略をお手伝いしますので、お気軽にお問合せください