ブランドとは?強いブランドを作るためにすべきこと

ブランドとは?強いブランドを作るためにすべきこと

ブランドとは何でしょうか。それをひとことで説明しようと思っても、難しいと感じる人が多いのではないでしょうか。

ブランディングを担当している人でも、ブランドとは何かと聞かれたら答えられないかもしれません。ブランドというのは、それぐらいつかみづらい概念なのです。 そこでこの記事では、ブランドとは何かを改めて整理し、強いブランドを作るためにはどうすれば良いのかを解説していきます。

ブランドとは

ブランドとは、商品やサービスに対して消費者が持っている認識です。企業は、自社ブランドに対する認識を、自分たちが考えているイメージに近づけるためにブランディングを行います。ただし、そのイメージを決めるのはあくまでも企業ではなく消費者です。

ブランドというと、高級バッグや財布などを扱う、いわゆる高級ブランドを思い浮かべる人も多いかもしれませんが、ブランドというのは高級品だけを指すものではありません。たとえその商品が低価格であっても、それに対して消費者が持っている認識のことをブランドといいます。

ブランドという言葉の語源は、家畜に焼印をつける「ブランドル」という言葉だといわれています。

強いブランドを作るには

ブランドの究極の目的は企業の売上であり、その目的を達成するためには強いブランドを作る必要があります。ここからは、強いブランドを作るためにすべきことを整理して紹介していきます。

自社ブランドの価値や立ち位置を決める

ブランディングで重要なのは、ブランドの方向性を決めるために自社ブランドの価値や立ち位置を決めることです。例えば、次のような視点で自社ブランドへの理解を深めていきます。

  • ● 自社商品は、消費者にとってどのような価値があるのか。
  • ● 自社商品のライバルは何なのか。

自社商品は、消費者にとってどのような価値があるのか

自社の商品の価値については、誰もがぼんやりとイメージしているかもしれません。しかし、ブランドを正しく育んでいくためには、それをもっと詳しく整理する必要があります。なぜかというと、ものの価値は状況によって変わるからです。

例として、缶コーヒーについて考えてみましょう。例えば、普段140円で買っている缶コーヒーがあるお店で150円だったら、皆さんはそこで買うでしょうか。わずか10円でも、高いと思ったら他店で買おうと思うかもしれません。それは、その缶コーヒーの価値は140円だと皆さんが考えているからです。

しかし、雪が降っている日に電車が止まってしまい、寒い道を長時間歩いているとします。その途中で温かい缶コーヒーを280円で売っているお店を見つけたら、皆さんはどうするでしょうか。冷え切った体を温めるために、普段の倍の値段でも買うかもしれません。それは、その状況であれば温かい飲み物に280円以上の価値があると考えるからです。

商品の価値を考えるときには、このように、それが使われる状況において消費者にどのような価値をもたらすかという視点で考えることが大切です。

自社商品のライバルは何なのか

自社商品の立ち位置を決めるために、まずはライバルが何なのかを整理してみましょう。ライバルというと同業他社製品を思い浮かべる人もいるかもしれませんが、必ずしもライバルが同じカテゴリの製品であるとは限りません。

ライバルというのは、簡単にいうと、何らかのパイを奪い合う相手のことをいいます。お金の奪い合いのこともあるかもしれませんし、時間の奪い合いのこともあるでしょう。

近年はサブスクリプションの動画配信サービスが台頭していますが、そのライバルはどこかという話題を目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。動画配信サービスのライバルは同業他社なのか、それとも映画館なのか、はたまたゲームなのか。アメリカでは、高騰するガソリン代とお金の奪い合いをしているということが話題になった時期もありました。

自社商品のライバルを考える時には、お金や時間を奪い合う相手は何なのかという視点でも考えてみることが重要です。

ブランドのミッション、ビジョン、バリューについて考える

近年、ミッション、ビジョン、バリューを策定するブランドが増えています。これはブランドに絶対に必要なものというわけではありませんが、決めて明文化しておくことには大きな意義があります。

ブランドは一人で運営するものではなく、長い時間をかけて皆で作り上げていくものです。そしてそのためには、何かを判断する際に拠り所となる軸が必要です。しかし、ビジョンが創業メンバーの頭の中にしかなかったり、判断基準が明確でないためにその場その場で物事を判断していたりするため、軸がない状態になっていることも多いでしょう。

そういう場合に効果を発揮するのが、ミッション、ビジョン、バリューです。明文化されていればそれに合わせて判断すれば良いので、軸がぶれることもなくブランドを正しく導けるようになるでしょう。

ブランドの差別化についての考え方

ブランドについて語るときに、差別化の重要性が謳われることがあります。差別化というのは、企業が自社製品を他社より優位にするために付加価値をつけることです。例えば、バッグであればイタリア製の高級な革を使ったり、家電製品であれば他にはない新しい機能をつけたりするのは、一つの差別化といえるでしょう。ただしそのような差別化は、売れる商品を作るという点ではもちろん意味がありますが、ブランドの根本を変えているわけではないという点に注意が必要です。

ブランドというのは一朝一夕で作られるものではなく、長い年月をかけて少しずつ育まれていくものです。付加価値をつけてヒット商品を生み出したからといって、その一時でブランドが作り上げられるわけではないのです。

まとめ

この記事では、ブランドとは何なのか、強いブランドを作るにはどうすべきなのかを解説しました。

  • ● ブランドとは
  • ● 強いブランドを作るには

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