ブランド戦略とは?成功させるための基本の考え方
ブランド戦略を立てることは、事業を進めていくうえでとても重要です。しかし、取り組もうとしてみたものの、
「そもそも、ブランドって何?」
「ブランド戦略って、結局何をするの?」
と、疑問に思って止まってしまっている人も多いのではないでしょうか。
ブランドやブランド戦略という言葉は概念をとらえるのが難しいため、考えれば考えるほど、調べれば調べるほどわからなくなってしまうかもしれません。そこでこの記事では、ブランド戦略をうまく立てられずに悩んでいる人や、これからブランド戦略を考えるために情報収集をしている人に向けて、最初に整理しておきたいブランド戦略の基本的な考え方をお伝えします。
ブランド戦略を立てるための具体的な手順についても解説していますので、どうぞ最後までご覧ください。
ブランド戦略とは
まずは、ブランド戦略とは何かということから考えていきましょう。
ブランド戦略とは
ブランド戦略とは、ブランドのゴールを目指して進むための戦略のことをいいます。ブランド戦略を進めている多くの企業がブランドの「ありたい姿」を描き、それを実現させることを目指しています。
「ありたい姿」とは、「ブランドが将来このようになってほしい」という理想の状態のことをいいます。この姿をしっかり決めて定義することで、ブランド戦略を立てる際の軸ができあがります。
ブランド戦略の目的
ブランド戦略の目的について考える前に、ブランドとはどのようなものなのかを整理していきましょう。
私たちの身の回りには様々なブランドがありますが、人々はそれらのブランドに対してどのようなイメージを持っているでしょうか。
ブランドに対するイメージには、「サービスがよい」「品質が高い」「このブランドなら安心」といったポジティブなものもあれば、「サービスが悪い」「品質が低い」のようにネガティブなものもあるでしょう。そしてそこには、好き嫌いのような感情や、その人の価値観が関わっています。
多くの企業が、人々の持つブランドイメージを自分たちの描く「ありたい姿」に近づけたいと考えており、それを実現させるためにブランド戦略に取り組んでいます。
ブランド戦略立案の手順
ブランド戦略を進めるには、具体的に何をどうすればよいのでしょうか。4つのフェーズにわけて解説していきます。
1.関わっている人々の知識や感情、価値観を引き出す
ブランドの「ありたい姿」の根本は、そのブランドの経営者や携わっている人々の持つ知識、抱いている感情、価値観などにあります。ただしそれらは潜在的なものであり表に出ていないことが多いため、正確に知るためには上手に引き出して言語化し、整理することが必要です。
このフェーズで最初に行われるのが、それを引き出すためのワークショップやヒアリングです。ファシリテーターが質問してそれに回答してもらったり、用意したワークシートに記入してもらったりしながら人々の考えを言語化していくのですが、ここで必要な情報を引き出して本当の「ありたい姿」につなげていけるかどうかは、ワークショップメンバーやヒアリング対象の人選、そしてファシリテーターの技量にかかっています。正しく引き出せれば本当の「ありたい姿」が描けますが、話が間違った方向に進んでしまうと誤った姿を描いてしまう可能性があるからです。
なんとなく質問して回答を得るのではなく、しっかりしたフレームワークを作り、話をじっくり聴いて必要な回答を全て引き出すように努めましょう。
2.ありたい姿を明確にする
ワークショップやヒアリングで知識や感情、価値観を引き出したら、それらを基に「ありたい姿」を描いていきます。この時に重要なのは、ぼんやりとしたイメージで終わらせるのではなく、誰が読んでも同じ姿を描けるように「具体的に言語化」することです。「具体的に言語化」するとはどういうことなのか、スポーツのサッカーを例に挙げてご説明しましょう。
サッカーの試合において監督が「いい試合をしよう」という目標を立てたら、選手たちは何をするでしょうか。もしかしたら誰かは1点でも多く入れようとし、他の誰かは技が光るプレーをしようとする、さらに他の誰かはフェアプレーを心がけるといった具合に、全員が別々の目標をもって試合に挑んでしまうかもしれません。そして、たとえば試合終了まで残り15分の時に4-0で勝っているとすると、残りの時間はゆっくり試合を運んで時間が過ぎるのを待つでしょう。これは、「いい試合」という目標がぼんやりしていて具体的でないため、選手たちは自分の考える「いい試合」を自由にイメージしてしまっているために起こっています。もしも監督が「5点とる」のように具体的な目標を伝えていれば、たとえ4-0で勝っていたとしても選手たちはあと1点とるために頑張るでしょう。
ブランドの「ありたい姿」も同様です。全員が同じ方向を向いてブランドを育てていくためには、関わっている全員が同じ姿を描けるところまで具体的に文字にすることが重要なのです。
3.名前やロゴ、デザインなどを決めて作っていく
「ありたい姿」を明確にしたら、次に名前やロゴ、テーマカラーなどを決める作業に入ります。ここから先は外注することも多いかもしれませんが、その場合は外注先の関係者全員にも「ありたい姿」を具体的に伝えましょう。外注すると軸がぶれやすくなるため、関係者全員であらためて戦略を共有し、同じゴールに向かって作り上げていくことがとても重要です。
4.ブランドを育てていく
制作物が完成したら、それらを活用してブランドを育てていくフェーズに入ります。
ものを作っていると、いつの間にかゴールが「制作物の完成」にすり替わってしまうことがあります。しかしあくまでもゴールは、人々から見たイメージをブランドの「ありたい姿」に近づけることです。ブランドを育てていくために、向かっている方向にぶれがないかを定期的に確認しながら運用を続けていきましょう。特に新しいものを追加制作している間に少しずつずれていくことが多いので、一貫性を持って育てていけるようにチーム編成することも重要です。
まとめ
この記事では、ブランド戦略についてお伝えしました。
- ● ブランド戦略とは
- ● ブランド戦略立案の手順
ブランドやブランド戦略という概念はとらえどころがないようなイメージがありますが、基本を理解すれば何をすべきかが見えてきます。ブランドを育てて活用していくために、まずは「ありたい姿」を描くところから始めてみませんか。
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