サステナブル経営とは?企業が成長し続けるための根本的な考え方を解説

サステナブル経営とは?企業が成長し続けるための根本的な考え方を解説

サステナブル経営(サステナビリティ経営)を進める企業が増えてきました。大企業をはじめとする様々な組織において、サステナビリティの実現のための取り組みが行われています。

一方で、自社で取り入れたいと思いながらも「サステナビリティとは何なのか」がはっきり分からず、何から始めれば良いのかを迷っている企業も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、サステナブル経営とは何なのか、どのように進めていくべきなのかを解説していきます。サステナブル経営とブランド戦略の関係についても言及していますので、ぜひ最後までご覧ください。

サステナブル経営とは

企業はこれまで、利益をいくら出したかという数字で評価されてきました。しかし今はそれだけでなく、社会的な価値や将来性、持続的な成長の可能性などを踏まえて総合的に評価されるようになっています。自社の短期的な利益だけを追求するのではなく、社会にも目を向け、中長期に渡って世の中のニーズを満たしながら利益を上げ続けていくことが求められているのです。 サステナブル経営とは、このように社会に対する責任を果たしながら、自社を持続的に成長させていく経営手法のことをいいます。

サステナブル経営で重要なESGとは

ESGとは、企業が持続可能な経営をするために特に取り組むべき3つのポイントの頭文字をとったものです。

  • ● 環境(Environment :E)
  • ● 社会(Social:S)
  • ● ガバナンス(Governance:G)

それぞれについて、簡単に解説しておきましょう。

環境(Environment :E)

ESGの「E」、つまり環境保全への取り組みは、多くの企業によって実施されています。廃棄物削減や環境汚染への対策などを行い、それを会社のWebサイトやプレスリリースなどで発表しているのを見たことがある人も多いのではないでしょうか。

ここで正しく認識しておきたいのは、環境保全に関する「持続的な取り組み」と「一時的な取り組み」との違いです。例として、海をプラスチックの害から守るための活動について考えてみましょう。

海のプラスチックごみ問題が深刻な社会課題として認識されたことで、企業が課題解決のために活動するようになりました。そのうちの一つに、海岸清掃があります。休日に社員やその家族が海岸に集まり、皆でプラスチックごみを拾うというものです。

海岸清掃は、有意義な環境保全活動の一つです。ただし、実はこれは「一時的な取り組み」に過ぎません。なぜなら、清掃してもまた新しいプラスチックごみが捨てられ、それを清掃してもまた捨てられることが繰り返されるため、根本的な解決にならないからです。

では、この課題における「持続的な取り組み」とはどのようなものなのでしょうか。例えば、以下のようなものがそれに当たるかもしれません。

  • ● 海に捨てられても自然に還るプラスチックを作る
  • ● そもそも海にプラスチックが捨てられない仕組みを作る

もちろんこれらは「言うは易し行うは難し」で、簡単なことではないでしょう。しかし、課題解決のためにはこのような持続的な取り組みが必要です。環境保全は、誰かが1回や2回活動して解決できるような規模のものではなく、社会全体で取り組んでいかなければならない大きな課題なのです。

社会(Social:S)

ESGの「S」、つまり社会への取り組みとして、社員が働きやすい環境作りを進める企業が急速に増えています。過重労働の防止やジェンダー平等などのために様々なルールを作り、実施している組織も多いでしょう。

一方で人権問題などへの取り組みはどうかというと、ヨーロッパと比較すると日本はまだまだ遅れているのが現状です。

例えば皆さんは、物を買う時に「誰がどこでどのように作ったものなのかを確認しよう」「誰かが劣悪な環境で作らされているものなら、買うのをやめよう」と考えたことがありますか。おそらくほとんどの人が、そのような視点で商品を選んだことはないと答えるでしょう。日本に住んでいると、こういった問題を自分ごととして受け止めるのが難しいからです。

しかし企業同士の契約においては、既に人権問題を避けて通ることができなくなっています。契約時に、以下のような内容を約束する条項が盛り込まれるケースが増えているためです。

  • ● 自社や関連会社が人権侵害をしていないこと
  • ● 使用する道具などが劣悪な環境で製造されたものでないこと
  • 今や、社会課題に真剣に向き合わなければ企業活動ができなくなるところまで、世の中は進んでいるのです。

    ガバナンス(Governance:G)

    ESGの「G」、つまりガバナンス(コーポレートガバナンス)は、投資家が大きな関心を寄せている事柄の一つです。そのため、必要なルールや仕組みを作ったり、社外取締役を増やしたりといった方法で体制を整えてきた企業も多いのではないでしょうか。

    環境が整備されたら、次にすべきことは、それらを業務に落とし込んで実際に運用することです。体制さえ作ればガバナンスが強化されると思われるかもしれませんが、体制作りは持続的な経営のための行動の一つに過ぎません。重要なのは決めることではなく、決めたものを遂行し続けることなのです。

    ESGは、投資家が企業を評価する際の基準としても注目されています。もしかしたら、「環境保全の活動をするとコストが増える」「社会課題に取り組む余裕はない」と考える人も多いかもしれませんが、中長期的に見ればこのような活動が企業やステークホルダーの利益につながることが分かっています。既に、サステナブル経営を進める企業こそが評価される世の中になっているということです。

    ただ表面をなぞるだけでなく、自社にできること、自社がすべきことを考え、腰を据えて取り組んでいきましょう。

    サステナブル経営で会社を成長させるポイント

    サステナブル経営を進めるにあたってまずすべきことは、企業理念やブランド戦略に沿った具体的な実行計画を立てることです。

    企業理念とは、この会社が何のために存在しているのか、社会に対して何を成し遂げたいのかといったことを明文化したものです。そしてブランド戦略とは、そのような企業のあり方を消費者に伝えるための戦略であり、企業活動の軸となるものです。

    ESGへの取り組みはもちろん大切ですが、ブランド戦略から外れてしまったら自社の成長にはつながりません。サステナブル経営を進めながら自社の目指すゴールに向かうためには、「何のために環境保全の活動をするのか」「それによって何を成し遂げたいのか」といったことを企業理念に照らしながら明らかにし、そのうえで進めていくことが大切です。

    まとめ

    この記事では、サステナブル経営について解説しました。

    今は、短期的な利益だけでなく、社会の未来に目を向けた中長期的な活動やその成果が評価される時代です。サステナブル経営を何のために行い、それによってどうなりたいのかを整理したうえで、ブランド戦略に合わせて進めていきましょう。

    グラビティーワン株式会社では、ブランディングについてのご相談を受け付けています。ブランド戦略の策定から、企業理念やブランドコンセプト作り、インナーブランディング、ロゴデザイン、パッケージデザインまで、15年にわたって一橋ICSで講義を務めた亀谷が貴社のブランディングをお手伝いします。まずはじっくりお話を伺いますので、ぜひお気軽にお問合せください。