グラビティーワンでは、WORK のページでもご紹介しておりますとおり
“「作品」ではなく、お客様の発展を最優先に”(
https://gravity-one.co.jp/work) をモットーに、ブランディングの知恵と技術を臨機応変にご提供させていただいております。
その内容は、社員の意識改革/インナーブランディングを軸にする「ブランド戦略」「ネーミング」「ロゴデザイン」「パッケージデザイン」「コミュニケーション」です。
今回のブログより 『シーズン2、亀谷がひもとくブランディング』と題しまして、それぞれの手法・本質について、少し具体的にご紹介していきたいと思います。
第一回は「ブランド戦略」についてのお話です。
経済系のネットニュースを開けば必ず出てくるこの言葉。そもそもブランド戦略とは何でしょうか?
ブランド戦略の目的。それはファンを増やすこと。
ブランド戦略の目的はファンをつくること。ここでお話が終わっても良いくらいシンプルで当たり前のことですが、それだとブログにならないのでお話を続けさせてもらいます。でも、本当にファンづくりということさえブレなければ後は何でもOKなんですよ。
当たり前ついでに、ここからお話しさせて頂きます。商売の対象者は消費者や取引先ですよね。その方々と単にモノやサービスなどを金銭で交換しているだけでは会社は成長しないし、全然足りないんです。
対象者に一歩踏み込んだところで「このブランドが好き、これを提供している人達が好き」という気持ちになってもらうと商売は上手くいきます。これは昔々から、人類が商売を始めた原初からずっと変わらないことです。
人類のお話をした後に急に小さなスケールになって恐縮ですが、例えば私の場合、カメラだったら断然キヤノン派なんです。ソニーも凄いなぁなどと、たまに目移りすることもありますが、結局はキヤノンに戻ってきます。
それは、愚直なカメラ小僧的なキヤノンの人達(失礼!)が創るものなら間違いなしという、スペック以上の気持ちが私の中にあるからです。もちろんスペックはとても重要ですが、「やっぱりこの人達だよね」という勝手な共感を抱いちゃっているんです。ファンだから、今年のカメラはキヤノンぽくないし、「どうした!」とか怒ったりもします。
同じようなことは皆さんにもありませんか? 例えばコーヒー、服、車、ホテル、携帯、ユーチューバー、スーパー、通販、お酒、企業だったり、地域だったり……。どんなに冷めた人でも、何かひとつぐらい「好き」でファンになっているものがきっとあるはずです。
ブランド作りの手段と目的のお話
では、「好き」になってもらうにはどうしたら良いのか。その前に、手段と目的をきちんと分けることの重要性についてお話します。
世の中を見ていると、ロゴやキービジュアル、動画やパッケージをつくるといったことがブランド作りだと勘違いしているんじゃないかと感じることがあります。
何かをつくるといったことは、もちろんグラビティーワンでも全部やっていますし、ホームページはこうしたデザインのオンパレードです。(笑) しかし、それらは手段であって目的ではありません。
これからの時代は、ファンづくりが最も重要であることを軸にして、独自性を追いかける企業しか生き残っていけないと思います。そういう独自性を伝える装置として、そして人々にファンになってもらうための道具として、ロゴやパッケージなどのデザインがあるのです。
デザインについては別な機会にお話しますが、サンフランシスコ時代からずっとそう認識していました。だからこそ道具づくりは面白いと思っています。
考え方や生き方が問われている?
どんな商売でも売上を増やして成長していきたいですよね。会社を大きくしたいかどうかは別として、その利益の構造は業界によって多少の違いはあるものの、基本的な流れは一緒です。
最初は誰もが新規のお客様です。いい感じで商売をしていますと、リピーターとなるファンが付きます。その方々は新規ほど強く働きかけずとも率先して仲間を増やしてくれます。お金を渡しているわけでもないのに、(残念ながら、そうでない人たちもいるようですが)、他の方々にもクチコミして広めてくれます。企業からすれば、大抵の場合はファンの人物像も察しがつくので、もっと喜んでいただく施策も考えることができます。
イラスト:亀谷
つまり、あなたの会社の社員でもないのに、あなたの会社のために色々なことをしてくださるわけです。これはもう、れっきとした経営施策ですよね。だって、会社の発展を共同創造する人財を生み出すわけですから。
ここで大事なテーマが浮上してきます。どうしたら人々はファンになってくれるのか?という本質的な疑問です。
先ほど、「いい感じで商売している」とかなり抽象的なまとめ方をしましたが、この「いい感じ」というのは、あなたとあなたの組織の考え方や、考えを実現していくひたむきな姿勢を指しています。それは商品やサービスにも表れてきますから、お客様はそこに共感して好いてくださるわけです。ということは、会社や従業員の考え方や姿勢、少し大袈裟に言うと生き方が問われているということになります。
「生き方って何? どういうこと? 僧侶でもあるまいし」 という声が聞こえてきそうですね。すみません。見た目は坊主頭で僧侶のようですが、私は僧侶ではありません。(笑)
本題に戻りつつ、散らかした内容をまとめますね。ブランド戦略の目的は、「好き」という気持ちによって一人でも多くの方々にファンになってもらうことでした。なぜなら、ファンが増えると商売が上手くいくからです。どうして上手くいくのかは、たぶん次回でお話します。
そして、ブランド戦略の本質は、考え方や生き方にあるというのは紛れもない事実です。それも次回で。では具体的にどうしたら良いのか。その手法は大きく捉えるとたった2つしかありません。それは「志を明らかにしよう」「接点をデザインしよう」の2つです。
次回のブログでは、ひとつ目の「志を明らかにする」とはどういうことか、実際どのようにすれば実現できるのか、そんなお話をして参りたいと思います。