ブランディングとマーケティングの違い

#9ブランディングとマーケティングの違い

ブランディングは、企業の内外に向けて行う非常に重要な活動です。

しかし、「ブランディングとは何か」「マーケティングとの違いはどこにあるのか」と聞かれると、どう答えたら良いのか悩んでしまう人も多いのではないでしょうか。その答えを出すのが難しいのは、ブランディングやマーケティングが目に見えず、形のないものだからです。実際に企業でブランディングを担当し、戦略を立てたり施策を実行したりしている人でも、その概念が曖昧なままになっているかもしれません。

ブランディングもマーケティングも、企業・ブランドの魅力や価値を伝えるという点では同じですが、その目的や対象者、活動内容などが異なります。そこでこの記事では、ブランディングとは何か、マーケティングとは何か、そしてブランディングとマーケティングは何がどう違うのかということを順に紹介していきます。ブランディングとマーケティングはどちらを先に進めるべきかといったことも解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。

ブランディングとは

ブランディングとは、企業・ブランドの存在意義や価値を消費者に伝えていく活動のことをいいます。 消費者は、無意識のうちにブランドに対するイメージを持っています。しかし、そのイメージは企業側が理想としている形ではないことも多いのが現状です。そのため企業側は、消費者の持つブランドイメージを、企業が考える理想の姿、ありたい姿に近づけるために様々な活動をしています。それらのすべての活動のことを、ブランディングといいます。

マーケティングとは

マーケティングとは、顧客や見込み顧客、潜在顧客のニーズを探し、それを満たす商品を開発または発掘して販売する活動のことをいいます。

マーケティングというと、商品広告のイメージがあるかもしれませんが、マーケティングで行うのはそれだけではありません。市場でどのような商品が求められているかを調査・分析し、それに対してどのような商品を提供できるかを検討、商品を宣伝して消費者に購入してもらうまで、そして場合によっては購入後の顧客に対してサポートするところまでのすべての活動が、マーケティングです。

ブランディングとマーケティングの違い

ブランディングとマーケティングは、「何のために行うのか」「誰に対して行うのか」「何をどのように行うのか」といった点で違いがあります。

何のために行うのか

ブランディングもマーケティングも、最終的には自社商品を売ることを目的としているのは同じです。しかし、どの商品をどのように売るかという点が異なります。

ブランディングのゴールは、指名買いされるブランドになることです。つまりそれは、消費者が何かを買う時に、迷わず「このブランドで買おう」と思ってもらう存在になることを意味します。ブランドの価値を高め、消費者に良いイメージを持ってもらうことで、ブランドを信頼して競合他社と比較することなく無条件に購入してもらえるようになるのです。

それに対してマーケティングのゴールは、特定の商品を指名買いされるようにすることです。いってみれば、お店で売り込まなくても買ってもらえる商品を作り出すのがマーケティング、お店で売り込まなくても買ってもらえるブランドにするのがブランディングです。

誰に対して行うのか

ブランディングは、社内外のすべての人に対して行います。社外の消費者に対しては、ブランドの存在や社会的な価値を伝えて共感してもらうための施策を決め、実行していきます。社内に対しては、会社が何を目指していて、何をすべきなのかを企業理念という形で伝え、浸透させていきます。

一方マーケティングは、顧客や見込み顧客、潜在顧客など、その商品を購入し、使ってくれる人に対して行います。場合によっては、1つの商品に対して複数のターゲットを設定することもあります。

何をどのように行うのか

ブランディングでは、企業・ブランドそのものの価値を消費者に伝えます。競合他社と比較して自社の独自性がどこにあるのか、市場の中で自社がどのポジションにあるのかを見極め、そこに価値を見出してもらうための戦略を立てます。商品を売るための活動だけでなく、例えば社会貢献など企業・ブランドに関するありとあらゆる活動を全てその戦略に則って行うことで、長い時間をかけて消費者にブランドの存在意義や価値を浸透させていき、消費者が持つブランドイメージを作り上げていくのがブランディングです。

それに対しマーケティングでは、特定の商品を販売するということに主眼を起き、その良さや価値を伝えるということを行います。その商品を買いたいと思ってもらうために、CMや広告、最近はSNSやインターネット上の口コミなどのいろいろな方法を使って商品を宣伝するのです。短期決戦で、その商品を購入してもらうためだけに戦略を立てることが多く、商品が変われば別の施策を行うのが一般的です。

まとめ:ブランディングとマーケティングの違い

この記事では、ブランディングとマーケティングの違いについて解説しました。

  1. ● ブランディングとは
  2. ● マーケティングとは
  3. ● ブランディングとマーケティングの違い

一般的には、マーケティングとは「商品が売れる仕組みをつくること」、そしてブランディングとは「商品が売れ続ける仕組みをつくること」と表現されることもあります。商品販売においてはマーケティング戦略が重視されやすいですが、柱となるのはブランド戦略です。個々の商品のマーケティグ戦略はブランド戦略に基づいて立てられるものなので、まずはブランド戦略をしっかり決めてから始めることが重要です。

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