企業理念の必要性|社員が共感し、企業の成長を支える理念とは

企業理念の必要性|社員が共感し、企業の成長を支える理念の作り方

事業を進める中で、「方向性が少しおかしくなってきた」「何かがうまくいっていない」と感じることはありませんか。リモートワークが一般的になったことや、会議が減ってチャットのやり取りが増えたことで、意思統一を図るのが難しくなったという企業も多いかもしれません。

そのような状況を乗り越えるために、新たに企業理念を作るケースが増えています。理念を定めることで、社員全員が同じ方向を目指し、組織全体が一貫性を持って成長を進められるようになるからです。

この記事では、企業理念の効果とその具体的な活用方法について詳しく解説します。

企業理念の役割

企業理念とは、自社の存在意義や目的を明文化したものです。企業の根本的な価値や考え方を社内外に伝えるために作成され、以下のような役割を担っています。

  • ● 社員全員が共通の目的を持てる環境を作る
  • ● 社員の意欲を引き出し、企業のブランド価値を高める
  • ● 企業文化を形成し、それを強化する

社員全員が共通の目的を持てる環境を作る

企業理念は、社員全員が同じ方向に向かって行動するために欠かせない基盤です。

たとえば、日常業務の中で、社員の判断に対して「この社員は優秀なのに、考えがどこかずれている」「良いアイデアではあるけれど、当社らしさがない」と経営者が感じる場合、その社員は会社全体の方針ではなく、自分個人の基準で動いてしまっている可能性があります。特に中途入社の社員が多い企業の場合、それぞれが専門知識や経験を持つスペシャリストである一方、バックグラウンドの違いから会社の方針と合わない方向で仕事を進めてしまうこともあるでしょう。

しかし、企業理念が浸透していれば、全員が事業の目的を正しく理解できるため、方向性のずれは起こりにくくなります。理念に基づいて正しく判断し、自社の特徴や独自性を生かして事業を進められるようになるからです。

企業理念は、優秀な社員やスペシャリストがその能力を最大限に発揮し、事業をより良い方向に導くため、そして大きく発展させるために必要不可欠なのです。

社員の意欲を引き出し、企業のブランド価値を高める

会社が何を目指し、どのような価値を提供しようとしているのかを理解すれば、社員はその理念に共感し、自分の仕事に意義を感じながら誇りを持って取り組むようになります。

特にZ世代を中心とした若い世代は、企業のビジョンや社会的責任に共感することを重視しています。社会課題や、SDGsなどの取り組みについて学校で教育を受けていることもあり、企業の存在意義や貢献について高い意識を持っているのです。

このような社員が増えることで、個々の意欲や創造力が引き出され、高いレベルの業務に取り組めるようになります。組織内で新たなアイデアが生まれやすくなり、1+1が2以上の成果を生み出す可能性も高まるでしょう。そして、こうした変化が組織全体の成長につながり、企業の競争力を引き上げる力になってくれるのです。

企業文化を形成し、それを強化する

企業理念は、企業文化を築き、それを強化するための大切な土台です。 企業文化とは、仕事に対する価値観や行動規範、働く姿勢、コミュニケーションのスタイルなどを指します。理念に基づいて良い文化が育まれることで、社員一人ひとりのパフォーマンスが向上し、事業の成果も出やすくなります。企業文化は、企業全体の成長に欠かせない重要な要素なのです。

たとえば、社員全員が同じ方向を向いていれば、細かい指示を出さなくても、簡潔なコミュニケーションで意図がしっかり伝わり、スムーズに動けるようになります。社員同士が自発的に勉強会を開いて知識やスキルを共有しあったり、会社に対して新たな提案をしたりといった動きが生まれることもあるでしょう。

理念に基づく企業文化が根付いていれば、社員が高めあいながら、それぞれの持つ力を発揮できる環境が築かれていきます。それは、企業全体の成長と発展を支える大きな力になるでしょう。

企業理念がないとどうなる?企業に起こるリスクと影響

企業理念がない場合、どのようなリスクが生じるのでしょうか。

企業理念がないと、経営陣の考えが社員に伝わらず、まとまりのない組織になってしまうリスクがあります。「何のために働いているのか」「どこを目指しているのか」が見えなくなり、社員それぞれが自分なりの判断で動いてしまうことで、事業の方向性がぶれ、目指すべきゴールから遠ざかってしまうこともあるでしょう。

こうした状況を解決するために、企業全体で共有される指針として役立つのが企業理念です。企業理念は、会社のビジョンや価値観を全社員に共有し、全員が同じ目的を持って行動するための重要な指針です。社員に理念が正しく理解されれば、自分の役割を認識し、持っている力を最大限に発揮して、事業の発展を支える存在となるでしょう。

そのためには、ただ企業理念を作るだけでなく、それを全社員に伝えて共感してもらい、納得して取り入れてもらうことが重要です。

まとめ

この記事では、企業理念の必要性と、その具体的な効果、理念がない場合のリスクについて解説しました。

  • ● 企業理念の役割
  • ● 企業理念がないとどうなる?企業に起こるリスクと影響

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