ブランディングにおけるデザインとは?タッチポイント設計と実践の3要素

ブランディングにおけるデザインとは?タッチポイント設計と実践の3要素

デザインは、ブランディングにおいて重要な役割を担っています。

ブランドイメージを確立し、ブランディングを成功させるためには、さまざまな場面における人々の行動や感情をデザインする必要があるからです。

この記事では、ブランディングにおけるデザインとは何か、その役割と設計のポイントを解説します。

ブランディング・デザインとは

ブランディング・デザインとは

ブランディングとは、人々が自社に対して抱いているブランドイメージを、自社が目指している「理想の姿」「ありたい姿」へ近づけるための活動です。ブランドイメージが正しく伝われば、ブランドの価値も正しく伝わり、結果として多くの人に選ばれるブランドへと成長していきます。

デザインとは、人々に何かを伝えるための手段の一つです。ブランディングに成功している企業は、ブランドイメージを人々に伝えるために、さまざまな場面での体験をデザインしています。

ブランディングのためのデザインとは

デザインと聞くと、色や形などの見た目のデザインをイメージする方も多いのではないでしょうか。しかし、人が体験によって受け取る情報は、色や形だけではありません。その場の雰囲気や音、香りなど、さまざまな情報を五感で受け止めています。

このように、人々が見たり・聞いたり・触れたりする場面をタッチポイントといいます。ブランディングでは、ブランドイメージが正しく伝わるように、すべてのタッチポイントで顧客が何を体験し、どう感じるかまで設計します。

ここで、タッチポイントにはどのようなものがあるのか、具体例を紹介します。

  • ● 製品
  • ● Webサイト・アプリ
  • ● SNS
  • ● 広告
  • ● 店舗
  • ● パッケージ・同梱物
  • ● カスタマーサポート
  • ● 取扱説明書・資料
  • ● キャンペーン
  • ● イベント・展示会

たとえば、サステナブルでナチュラルなイメージのブランドを目指している場合、製品はもちろん、Webサイトやパッケージもサステナブルな素材を使い、ナチュラルなイメージのデザインにするはずです。

しかし、イベントや展示会で来客の気を引くために大量の水を使った演出を行ったり、プラスチックカップで飲み物を配ったりするとどうなるでしょうか。たしかに盛り上がり、喜ばれるかもしれませんが、サステナブルなイメージは壊れてしまうでしょう。

ブランディングで重要なのは、すべてのタッチポイントを、ブランドコンセプトに沿ってデザインすることなのです。

ブランディングのためのデザインのポイント

ブランディングのためのデザインのポイント

ブランディングのためにはタッチポイントのデザインが重要だとお伝えしました。では、具体的にどのようなデザインにすればよいのでしょうか。ここでは、大きく3つのポイントを紹介します。

  • ● ブランドの根本的な価値や魅力をデザインで具現化する
  • ● ターゲット像を明確にし、抱いてほしい感情までデザインする
  • ● 一貫性のあるデザインにする

ブランドの根本的な価値や魅力をデザインで具現化する

デザインにおいて最も重要なのは、各タッチポイントのデザインに着手する前に、ブランドのコンセプトや価値、魅力を正しく、深く理解することです。

皆さんは、Webサイトのデザインを依頼する場合、どのような情報を伝えていますか。たとえば、「ナチュラルな雰囲気にしてください」のように伝え、あとはデザイナーや担当者の感性に任せているということはないでしょうか。

しかし、このような説明では、ブランドの価値や魅力を十分に伝えられないWebサイトになるかもしれません。なぜかというと、「ナチュラル」というのは、ブランドイメージを表現している言葉の一つではありますが、それだけでは根本的な価値や魅力が伝わらないからです。

ブランディングにおけるデザインの役割は、ブランドの根本的な価値や魅力を伝えることです。そのためには、ブランドを正しく理解し、表面的な雰囲気ではなく、その中身を具現化することが大切です。

ターゲット像を明確にし、抱いてほしい感情までデザインする

ビジネスにおいて、ターゲット像を明確にすることは、成功のための重要なポイントの一つです。よく知られていることなので、すでに実践している方も多いでしょう。

しかし、ブランドイメージを築くためには、ただターゲット像を決めればよいというものではありません。なぜなら、そのターゲットがどんな感情を抱くかによって、ブランドイメージが大きく変わるからです。

たとえば、「20代会社員」という同じ属性を持つ人でも、その製品を使う目的やそれによって得られる感情が異なれば、適したデザインも異なります。

正しいブランドイメージに導くためには、意図した感情を抱いてもらう必要があります。そのために、抱いてほしい感情までデザインするのです。

一貫性のあるデザインにする

先ほど、イベントで来客の気を引くために大量の水を使う演出を行った場合の例を挙げました。実は、多くのブランドがこのようなデザインの失敗により、ブランドイメージを崩してしまっているのをご存じでしょうか。これは、各タッチポイントのデザインに一貫性がないことが原因です。

近年は、SNSでも同様の失敗が多く見られます。フォロワーや再生回数を増やすという目先の目的にとらわれすぎると、一時的な数字は伸びても、ブランドイメージが変わってしまうという事例です。

ブランドイメージは、一つ一つの体験によって築かれていきます。そのため、どのような場合でも、ブランドコンセプトに合ったデザインを第一に考えることが不可欠なのです。

まとめ

この記事では、ブランディングにおけるデザインの役割やポイントについて解説しました。

  • ● ブランディング・デザインとは
  • ● ブランディングのためのデザインとは
  • ● ブランディングのためのデザインのポイント

デザインの際の重要ポイントも紹介していますので、これからブランディングに初めて取り組む方も、方針を見直したい方も、ブランドコンセプトの根本理解から始めてみませんか。

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