企業ブランディングの成功事例|企業理念に基づくブランドの考え方
自社を、顧客から選ばれる企業に育てませんか。
良い商品を作れば売れる時代は過ぎ、どういう企業の商品なのかが重視されるようになりました。今の時代に顧客から選ばれるためには、「何を売るか」だけでなく、「どういう企業なのか」「社会に対してどのような価値を提供しているのか」を明確にすることも大切です。
そこでこの記事では、企業理念を軸に、自社の姿勢や価値観を社会に伝える企業ブランディングについて考えていきます。企業ブランドの確立に成功した実例も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
企業ブランディングとは
企業ブランディングとは、自社がどういう企業であるかを社会に伝えるための活動です。
企業ブランディングという言葉に明確な定義はありませんが、「こわれない商品」「お客様に極上のサービスを提供」といった、製品やサービスそのものを伝えるのではなく、自社が社会に対してどんな価値を提供しているのか、どのような理念の下で経営している企業なのかを示し、そのイメージを浸透させていくという意味合いが強いのが特徴です。
企業ブランディングはなぜ必要?
企業ブランディングが必要なのは、企業としての価値や姿勢が、商品やサービスそのものとあわせて重要視される時代になってきたからです。
これには、SDGsなどの世の中の動きに合わせて企業の姿勢が問われるようになってきたという社会状況や、優れた商品やサービスが数多く登場して機能や価格で差がつきにくくなっているという市場の変化が影響していると考えられます。 単なるイメージ作りではなく、社会的な信頼を確立するために、企業ブランディングが必要です。次項で、そのことが具体的に分かる企業の具体例を紹介します。
企業ブランディングの成功事例
ここでは、企業ブランディングの成功事例として知られている3社の例を紹介します。
企業理念をブランドコンセプトに反映させた「パタゴニア」の事例
アウトドアブランドのパタゴニアは、「私たちは、故郷である地球を救うためにビジネスを営む」というミッションステートメントを掲げ、環境保護の活動に積極的に行っています。
中でも、売上の1%を自然保護の取り組みに充てる「1% for the Planet」の活動が広く認知されているほか、素材選びや製造などのすべての過程において、環境に負荷をかけないように配慮していることで知られています。
企業理念を明確に掲げ、その理念に基づいた活動を継続的に行い、それを社外に向けても一貫して示しているパタゴニアは、ブランド価値を理念から構築することに成功した企業の代表例といえるでしょう。
企業理念を顧客体験に落とし込んだ星野リゾートの事例
リゾートホテルなどを展開する株式会社星野リゾートは、次のような理念を掲げています。
ミッション:旅は魔法
ビジョン:世界で通用するホテル運営会社になる
星野リゾートでは、「旅は人と人をつなぐ魔法」と捉え、たとえば、地域の伝統芸能や文化体験を通して宿泊者と地域の接点を作るといった取り組みを行っています。また、「世界で通用するホテル運営会社になる」というビジョンの実現のために、予約管理や顧客対応のシステムに先進的なIT技術を導入するなど、国内外で選ばれる企業を目指して運営しています。
星野リゾートは、こうした取り組みによって、企業の姿勢や価値観を顧客体験として伝えることで、理念に基づいた企業ブランディングに成功しています。
理念を軸にブランドの立ち位置を再構築したタニタの事例
体重計などのメーカーとして知られる株式会社タニタは、次のような理念を掲げています。
ミッション:私たちは、新たな視点で様々な領域の健康基準を創造し続けます。
ビジョン:私たちは、世界の人々が健康習慣によって自らの可能性を広げ、幸せを感じられる社会を目指します。
タニタでは、このミッションのもと、体組成計や健康管理システムなど新たな健康指標やサービスを開発し、個人や企業への提供を続けています。また、社員向けの健康的な食事を提供するタニタ食堂を展開し、健康的な食習慣を社会全体に広げる取り組みも行っています。
さらに、自治体や企業と連携した健康増進プロジェクトに参加することで、地域住民が健康習慣を身につけ、より幸せな生活を送れる社会づくりに貢献してするなど、社会に健康習慣を定着させるという理念に基づいた企業ブランディングを実現しています。
成功事例に見る「企業ブランディングと理念の関係」
成功事例として示した3社は、いずれも、企業理念を軸に自社のあり方を明確に打ち出し、それを外部に一貫して伝えることで、ブランドとしての信頼と立ち位置を築いていました。
冒頭で述べた通り、企業ブランディングとは、自社がどういう企業であるかを社会に伝えるための活動です。自社がどのような価値を持ち、どういう考え方を持つ企業なのか。成功事例として示した3社のように、企業理念を社内外に対して伝え、企業のイメージをつくり上げていく活動こそが、企業ブランディングなのです。
世の中に良いものがあふれ、素晴らしいサービスが当たり前になっている今の社会で企業が成功するためには、これまで以上に企業のコンセプトをしっかり作り、ブランディングしていくことが大切になるでしょう。まとめ
この記事では、企業ブランディングと理念について解説しました。
- ● 企業ブランディングとは
- ● 企業ブランディングはなぜ必要?
- ● 企業ブランディングの成功事例
- ● 成功事例に見る「企業ブランディングと理念の関係」
企業のブランド価値を高めるためには、しっかりした企業理念があり、そのうえですべての活動を行うことがとても重要になります。
ここで、自社の企業理念が本当に今の自社の価値を正しく表しているものなのか、これからの社会の中で意味を持ち続けるものなのかを、今一度見直してみませんか。
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